みなさんが毎日使っているスマートフォンやゲーム機、イヤホンなどの小型家電には、信じられないくらい大切な金属が含まれています。特に金と銅は、これらの電子機器の内部に使われています。金は電気をよく通す性質があるため、回路基板※1という電子機器の心臓部分に使われているのです。また銅も同じく電気を通しやすく、配線などに活躍しています。
実は、小型家電をリサイクルして取り出した金の量は、金鉱山で掘り出す量よりも効率的だという研究結果もあります。たった1トンの使い終わった携帯電話からは、なんと150グラムもの金が取り出せるといわれています。これは金鉱石1トンから取れる量の何十倍にもなります。つまり、プラスチックリサイクルと同じように電子機器のリサイクルも、とても大切な活動なのです。
ちなみに、1台のスマートフォンに含まれる金の量は、わずか0.034グラム程度。これは一見少なく感じるかもしれませんが、世界中で毎年何十億台ものスマートフォンが使われていることを考えると、その合計はとても大きなものになります。金以外にも、銀や希少金属※4など、様々な貴重な資源が小型家電に詰まっているのです。
小型家電には金属だけでなく、プラスチックもたくさん使われています。スマートフォンの外側、リモコンの本体、充電器の外装など、目に見える部分の多くはプラスチックです。プラスチックリサイクルの技術が進むことで、これらの部品も新しい製品に生まれ変わります。
リサイクル工場では、まず小型家電を細かく砕きます。その後、金属とプラスチックを分ける作業が行われます。分けられた金属は精製※2されて、新しい電子機器や装飾品の材料になります。一方、分けられたプラスチックは、プラスチックリサイクルの過程で、新しいプラスチック製品や建築材料に変身します。こうして何も捨てることなく、全ての材料が活用されるのです。
このリサイクルの過程では、最新の技術が使われています。例えば、磁石を使って鉄を分ける方法や、水に浮かぶ性質の違いでプラスチックと金属を分ける方法など、工夫がたくさんあります。このような技術開発により、リサイクル率はどんどん向上しており、今では小型家電の約80~90%が資源として活用できるようになってきました。
小型家電から金や銅などの貴重な資源が取れることを知ると、みなさんはどう思いますか?大切なのは、使い終わった家電を正しくリサイクルに出すことです。壊れた携帯電話やイヤホン、使わなくなったゲーム機は、燃やすゴミや普通のリサイクルゴミに出してはいけません。お住まいの地域の自治体が指定するリサイクル回収ボックスや、家電販売店の回収サービス、専門のリサイクル施設に持ち込むことが重要です。実は、多くの学校や図書館、駅などにも小型家電の回収ボックスが設置されているので、身近な場所で協力できます。
地球の資源は限られています。採掘※3で新しい金属を取ることは、環境に大きな負担をかけます。鉱山の開発には広大な土地が必要になり、自然が失われてしまうのです。しかし小型家電のリサイクルなら、既に地面から出ている金属を活用できるため、環境にやさしいのです。また、リサイクルに必要なエネルギーは、採掘に必要なエネルギーよりも圧倒的に少なくて済みます。
プラスチックリサイクルと電子機器リサイクルを進めることで、私たちは地球を守りながら、必要な資源を確保できます。さらに、リサイクル産業が発展することで、新しい職業も生まれています。未来の地球のために、そして自分たちの豊かな生活を守るために、今からリサイクルを意識した生活を始めてみませんか。みなさんの一つ一つの行動が、地球の未来を変える力になるのです。
※1 回路基板:電子機器が動くための電気の道を作る基盤のこと
※2 精製:不純物を取り除いて、純粋にすること
※3 採掘:地面を掘って鉱物を取り出すこと
※4 希少金属:地球上に少ししかない、貴重な金属のこと