# PCR先進国の取り組み~他の国から学ぼう~
## H2 ポイント1:ドイツの「デポジット制度」で、プラスチックをムダなくリサイクル
ドイツという国では、ペットボトルやビン、缶を買うときに、商品の代金に加えて少しお金を多く払うんです。そして、それを飲み終わったあとにお店に返すと、そのお金が戻ってくるというシステムがあります。これを「デポジット制度※」といいます。
このすごいところは、みんながペットボトルを返そうとするので、プラスチックがちゃんと回収される確率がとても高いということ。日本の場合は、ゴミ箱に捨てられたボトルが焼却場で燃やされてしまうことがありますが、ドイツではほとんどがリサイクル工場に行きます。
回収されたプラスチックは、新しいボトルに生まれ変わったり、服の素材になったりします。これを「ポストコンシューマリサイクル※」といって、一度使われた製品をもう一度同じ製品や他の製品に作り変えることなんです。ドイツはこの方法により、プラスチックの再利用率が80%を超えているんですよ。
※デポジット制度:商品を返却することでお金が戻る仕組み
※ポストコンシューマリサイクル:使い終わった製品を新しい製品に作り直すこと
## H2 ポイント2:スウェーデンの「焼却熱の活用」で、プラスチックをエネルギーに変える
スウェーデンという北ヨーロッパの国では、とても寒いので、たくさんの暖房が必要です。そこで、リサイクルできないプラスチックを燃やすときの熱を使って、おうちを温めたり、お湯を作ったりしているんです。
このような方法を「サーマルリサイクル※」といいます。プラスチックを完全に捨てるのではなく、燃やすときに出た熱をうまく使うことで、石油やガスのようなエネルギー※を減らすことができるんです。
スウェーデンでは、プラスチックゴミの99%以上がリサイクルされるか、エネルギーに変わっているんですよ。とっても効率的ですよね。でも、ここで大事なポイントがあります。ポストコンシューマリサイクルのように、もう一度製品に作り直す方が、最初からプラスチックを作るときより、ずっと環境に優しいんです。だから、スウェーデンでも「まずは回収して作り直す」「だめなものを燃やしてエネルギーにする」という順番を大事にしているんです。
※サーマルリサイクル:燃やすときの熱を活用すること
※エネルギー:電気やガス、暖房など、生活に必要な力
## H2 ポイント3:シンガポールの「プラスチック削減作戦」で、ゴミ自体を減らす
シンガポールという、日本より小さいとても小さい国では、ゴミを置く場所が限られています。だから、「ゴミを処理する」ことよりも「ゴミを作らない」ことを一番大事にしているんです。
この国では、買い物をするときにビニール袋をもらわないようにすることや、プラスチック製のストローやスプーンを使わないようにすることを、みんなで一緒に頑張っているんです。
面白いのは、もしお店がプラスチック袋をくれようとしたら、その店に罰金※が課せられるというルール。厳しいように聞こえますが、これによって、みんなが「プラスチックなんか必要ない」と考えるようになってきたんです。
シンガポールの取り組みから学べることは、「プラスチックをどうリサイクルするか」より「最初からプラスチックを使わないようにする」ことが、一番簡単で一番効果的だということです。ポストコンシューマリサイクルも大事ですが、使わないことが一番なんですね。
※罰金:ルール破ったときに払わないといけないお金
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ドイツ、スウェーデン、シンガポール。この3つの国は、みんなプラスチックの問題に向き合い、それぞれの方法で頑張っています。ドイツは回収システム、スウェーデンはエネルギー活用、シンガポールは使わない工夫。この3つの方法が一緒に働くことで、はじめてプラスチック問題が解決するんです。
皆さんも、使い終わったプラスチックをきちんと分別したり、新しいプラスチック製品をなるべく買わないようにしたりすることで、これらの国々と同じように、プラスチック問題を解決するお手伝いができるんですよ。小さな行動が、大きな変化を作るんです。